2014年12月29日月曜日

コラム:第1回 髙橋 伸明(兵庫県建築士会 会長)

「義、我 美しく」 



兵庫県建築士会 会長 髙橋 伸明


「義、我 美(羊)しく」という言葉に出会ったのは、約20年前に池宮彰一郎氏が書いた「四十七人の刺客」であったと思う。原作は1992年に初版、1994年には市川崑監督で映画が作られた。米沢藩江戸家老との謀略戦を戦う赤穂藩家老大石内蔵助を演じたのが、高倉健氏であった。2014年11月に鬼籍に入った同氏を追悼するように、テレビで再放送されたので、観られた方もあるかと思う。

 私がスクリーン上で「健さん」に出会ったのは、1970年代初頭、京都・一乗寺にあった「京一(きょういち)会館」(営業期間:1960~88)でした。オールナイト興行があり、東映任侠映画が3本立てで上映されていました。主に日本侠客伝や日本残侠伝などを見ており、明け方近くなるとさすがに転寝をしていましたが、「健さん」が理不尽な相手方に殴り込みに行く時のテーマ音楽で目を覚ましました。その「健さん」が凛としたスターの風情を崩さない美学を携えて、鬼籍に入った。また、時を同じくして、「仁義なき戦い」をスクリーン上で生き延び、晩年は哲学に生きた菅原文太氏も鬼籍に入りました。
 
 美学や哲学に関心を持つことは、私たち、建築士にとっても大事なことだと思います。継続的に建築士としての資質を高めていく努力を怠らず、社会的な関わりを広く求めていくことが、従来にも増して重要となると思います。

 兵庫県建築士会には、女性はもとより、青年から壮年、熟年と幅広い会員が集っています。地域的に見ても、太平洋に面した淡路、大阪湾から瀬戸内海に沿った阪神や播磨、日本海に面した但馬、中山間にある丹波の5つの地域で会員が活躍しています。

 新たなつながりを求めて、当会の門を叩いてみて下さい。待っています。